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「ゼルダ」として、女神の力を宿すことを宿命づけられた姫様。
そうあろうと努力してきた、17歳になったばかりの少女は、この戦いを経て、一気に女性へと変化したように見えます。
彼女の気高く、力強いまなざしが見据える先には
一時撤退した黒いちびちゃんと、アストルさんの姿がありました。
悔しさと憎しみ、焦りや絶望感をにじませながら、アストルさんは黒いちびちゃんにリンク達を始末するよう命令しますが・・・
突如、その指先は黒く染まって、まるでシミのように全身に広がっていきます。
予期せぬ事態に呆然とする彼の声は震えています。
そしてそんな彼を見つめる、不穏な視線。
アストルさんの叫びもむなしく、黒く禍々しいシミはあっという間に全身を包みます。
これは、あれですね・・・確実に、喰われるやつ・・・・!!
確かに、彼はリンク達にとって倒すべき相手ではありましたが・・・姫様達も、こんな結末を望んでいたわけではなかったはずです。
姫様達が見上げるその先には
ヒトであるアストルさんを取り込んだからか、それとも彼に貸し与えていたと思しき怨念パワーを回収したからか。人の姿に形を変えた黒いちびちゃん・・・もとい、ガノンの姿。
そこはかとなくイケオジのフォルムも感じる。さすがはガノン。
ガノンの咆哮が響く中、ちびちゃんにも異変が。
増幅した怨念の気がちびちゃんを取り囲み、青い光が、橙に染まります。
何かに抗うように一人、バタバタと暴れるちびちゃん。
異変に気付いたゼルダ姫が振り返りますが、ちびちゃんはカタカタと不穏な音を鳴らして。
瞬間、あの真っ白な体は、怨念の色に染まっていました。
ち、ち、ちびちゃんんんんんん!!!!!(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)
やっぱり君もトランスフォームできたのね・・・いや、今はそこじゃない!!
嘘やん、今それはキツイ・・・!!!(´;ω;`)
ずっと一緒に旅をしてきたちびちゃん。
時に励まし、時に笑わせてくれる。姫様にとって、苦しい本音を吐露できる・・・そんな相手であったことは間違いありません。
そして何より、この世界が厄災に対抗し、更にここまで押し返す事が出来たのは、ちびちゃんの力のおかげです。
なのに、このタイミングでこれはちょっと、気持ちがついて行かない・・・!!(´;ω;`)
ちびちゃん可愛いですし、私もかなり好きな子なのでだいぶ心をえぐられます。(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)
まるでヒトのような、感情を感じる動き。
インパ様と喧嘩したり、リンクに文句を言ってみたり、大人達の会話を不思議そうに聞いていたり。
ちびちゃんの人間臭さが、今この瞬間はとにかく辛い。心臓を握りつぶされるような感覚になります。
戦いの後、炎の中に残ったのは、ボロボロに破壊されたちびちゃんの素体。
リンク達がちびちゃんの相手をしている間に、ガノンは本丸へ。その力を更に増幅させる為だと思われます。
風に吹かれてあっけなく飛ばされた小さな体は、カラカラと転がって止まりました。
スクラップ同然になってしまった、ちびちゃん。
憑依された時、かなり苦しそうに暴れまっていたちびちゃん。そして、ここまでしなければ止まらなかった、ガノンの影響力。
せっかく、大切なものを少しずつ取り返してきたのに。
姫様・・・。(´;ω;`)
真っ暗だったちびちゃんの液晶に、ほんの少しの青い光。
小さなガーディアンは、ボロボロの体で、つぎはぎの子守唄を奏でます。
ゼルダ姫が苦しい時、悲しい時。励ますように聴かせてくれた、優しい音色。
今にも消えそうなその音色を聴いたゼルダ姫の記憶の片隅で、ちびちゃんの影が揺れ動きます。
目線は、小さな少女。
テーブルの上はガーディアンの部品と思しきもので散らかっています。
やっと組みあがったそれを嬉しそうに眺めた少女ですが、肝心のガーディアンはうんともすんともいいません。
ちょっと乱暴にバシバシと叩くと・・・
青い光が点灯!
脚はゆったりとぎこちなくもちあがり、笛の音のような可愛らしい独特の音を鳴らして、小さなガーディアンは起動しました。
少女は嬉しそうに歓声を上げ、ガーディアンを抱き締めます。
そして彼女が振り返った先には、光を背にたたずむ、母の姿。
ですが、その姿はすぐにまばゆい光の中に消えてしまいます。
母親を求めて嗚咽を漏らす少女。
その様子をじっと見ていたガーディアンは、優しい子守唄を奏でます。
ここで初めて、ちびちゃんの名前が明らかになります。
「テラコ」。ゼルダ姫が完成させた、小さなガーディアン。
ずっと一緒にいられるはずでした。けれど、「王妃」が亡くなった事により、状況が一変します。
起動を停止したテラコ。
その体を抱えているのは、ゼルダ姫ではありませんでした。
大きな背中を必死に追いかけるゼルダ姫。
背中の正体はハイラル王でした。
本来ならば王妃から、「ゼルダ姫」としての修業や力の行使について学ぶはずでした。
ですがその母は、もういません。
ゼルダ姫が自力で全てを知り、手探りで修行を行うほかに道はなくなってしまいました。
いつまでも「おもちゃ」を側に置いておくわけにはいきません。
泣いて縋る娘を振り返った王様の目は、悲しそうで。
ゼルダ姫がどれほどテラコを大切にしていたか、大好きだったかを知っているからこそ、王様にとってもつらい決断の一つだったでしょう。
実際には捨てずに箱の中にしまわれていたわけですから、王様の優しさを感じます。
そしてこの場面でついつい「ナウシカ・・・(´;ω;`)」と思ってしまったのは私だけではないはず・・・「何も悪い事してないのに・・・!!(´;ω;`)(´;ω;`)(´;ω;`)」
テラコ。大切な友達であり、家族の名前。
やっと思い出したその時には、もう意思の疎通さえできない。
いつかのように、ゼルダ姫の手がテラコの機体を優しく撫でます。
もう一度立ち上がった彼女の目に、もう涙はありません。
テラコを失った悲しみは計り知れませんが、倒す相手はもうあと一人だけです。
七転び八起き。今度こそ、この戦いに終止符を!
それでは、次回の記事にて!